2008年11月24日

小さな信念

この2年間、ある地域で町内会の班長を引き受けることとなり、これまで取り組んできた。

つい最近も歳末助け合いの募金活動があった。

しかし実を言えば、私はそこには住んではいない。すなわち、その町内の住民ではない。なので、引き受けるのは当初二の足を踏むところがあった。

私はそこのアパートに時折足を運んで必要な管理をしている立場ではある。

4年前まで3年間ほど住んでいた。

だが今は、電車と徒歩で合わせて1時間半ほどはかかる場所に引っ越してしまっている。

前任の班長さんから、次誰かに頼んでもらえませんかと言われたところから始まった。

基本的にやりたいと思っている人はほとんどいない。

その方は、遠くても、私でもできるとも言われた。

次の班長さんを決めてお願いするのは、本来前任者なのでは、と思ったが、

その方は、話の流れで、私でもいいからお願できないか、という感じで言われてきた。

私が引き受けるか、そうでなければ、他の誰かにお願いしてほしい、という感じである。

基本的に私は、人に大変な仕事をさせる場合、まず自分自身が、その苦労を知ったうえでお願いするべきだ、という考えを持っている。

自分は楽をして、人にやれ、というのはどうしても気持ちが許さないのである。

だから、とりあえず1年間、自分でその班長の仕事がどれだけ大変なのか味わったうえで、他の人にお願いしていくことにしよう、と決めたのであった。



正直言って、私は普段から時間的に余裕のない中でずっとやってきているから、決して楽なものではなかった。

やることは、必要な配布資料や回覧資料の配布や回覧、それと年に4回ほどある、町内会費や募金などの集金が主である。そして同じく4回ほど、班長集会のような集まりが催されるので、それへの参加である。

ただこの集会が結構、暦上の3連休とかの2日目あたりに開催されたケースが多かった。それは、ほとんどの班長さんが、60代、70代とかの年齢層の方ばかりのようなので、わざわざ混雑する連休にどこかに出かけるようなことをしないというのが前提のように思えた。

逆に私にとってはちょっと厳しい日程であった。

また、集金というのも、自分の住んでいるところなら、折を見て、パッと足を運べばいいだろうが、何しろ1時間半もかかるところでは、あらかじめできるだけ人がいるような曜日や時間帯を狙って効率よく集金をしに行かなければ本当に無駄足になってしまうのである。

その辺がかなり大変であった。



決して十分にできたわけではない。

1年やったら他の人に代わるつもりでいたのだが、ばたばたと忙しくて、次の班長を決める根回しも打診も何もできずに時が流れてしまい、また、自分自身、十分に納得いく取り組みには少し足りない思いがあったので、その反省もあり、1年さらに班長を延長してすることにした。

とりあえず、2年目の最後の募金が終わった今思うと、これはこれで自分の信念を貫き通せた気がしているので、良かったと自分自身で納得している。

ある人には、あなた(私)がやる必要なんてないのよ、なんてことを軽々しく言われたが、そんな様々な事情や考えを背後に抱えながらしていることを知らないだろうから、そんなことを言うのだろうなと思った。



今の世の中は、皆、揃いも揃って、自ら苦労することを選ぶなんてことはほとんどしなくなってしまっている。
町内会の役員なんてものは、ほとんど無償だから、皆、余計にやりたがらない。

しかし、2年間、年に4回ずつ回っていると、段々、相手の対応も違ってくる。

ほとんど面識なかった人でも、次第に一声で、すぐに対応してくれたり、会うたびに労いの言葉をかけてくれる方もいたり、こんな世の中でも捨てたもんじゃないな、と感じさせられる関係も生まれてくるのだ。
中には、若い人で、今は持ち合わせがないので、何曜日の夜何時頃に来て下さい、と自分から約束しておきながら、実際にまた行ってみたら留守で、その後、一度も会えてないような人もいる。

お金になるならする、とか、こういう利益が得られるからする、とか、今の人たちは、すぐにソロバンをはじいて行動する。

私は思う。その場、その時において、何も、得になることがなくてもいいのだ。

何人かの温かい心に触れられて、未来や人間に希望を感じられたことと、自分の信念を貫くことができたことが何ものにも代え難い、宝物として私自身の心深くに刻まれたのだから。


そして気が付くと、不思議に、予期せぬいいことが違う所で巡ってきたりするのである。






posted by 大空巡夢(人間力探求家) at 19:24 | TrackBack(0) | 感じたこと
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